大腸がんとは?
大腸がんは、大腸の内側を覆う粘膜にできる悪性腫瘍で、結腸と直腸のいずれにも発生します。
日本では年々患者数が増加しており、2020年には約14万7千人が新たに診断されました。
2023年には約5万3千人の方が大腸がんで亡くなっており、女性ではがんによる死亡原因の第1位、男性でも第3位を占めています。
また、5年相対生存率は約71%と報告されており、早期に発見し治療を行えば完治が期待できるがんとされています。
大腸がんの原因
大腸がんの発症にはさまざまな要因が関係しており、単一の原因で発症するものではありません。
年齢とともにリスクは高まり、特に50歳を過ぎると注意が必要です。
日々の食生活も大きく影響しており、脂っこい食事や赤身肉を多く摂る一方で、野菜や食物繊維が不足するような食事を続けていると、大腸がんが発生しやすくなると考えられています。
さらに、運動不足や肥満、喫煙、飲酒といった生活習慣もリスク因子となります。
ご家族に大腸がんの方がいる場合や、潰瘍性大腸炎などの慢性的な腸の炎症がある方も、発症しやすい体質である可能性があります。
大腸がんの症状
大腸がんは初期の段階ではほとんど自覚症状が見られず、検診で偶然見つかることも少なくありません。
がんが進行すると、便に赤い血が混じる、または黒っぽい便が出ることがあります。
また、大腸が変形することで便通に変化が生じ、下痢や便秘を繰り返したり、便が細くなったりすることもあります。
さらに、お腹の張り感や痛みを感じることもあります。
がんによる出血や栄養吸収の低下が続くと、だるさや息切れ、体重の減少といった症状が現れることもあります。
症状はがんの発生部位や進行度によって異なりますが、これらの症状が数週間以上続く場合には、早めに受診することが大切です。
大腸がんの検査と診断
大腸がんの検査は、まず便潜血検査という簡便な方法から始まります。
これは、肉眼では見えない微量な血液が便に含まれていないかを調べるもので、定期的に受けることでがんの早期発見につながります。
検査で陽性となった場合や、症状がある場合には大腸内視鏡検査を行います。
この検査では、細いカメラを肛門から挿入して大腸全体を直接観察し、必要に応じて組織を一部採取して詳しく調べます。
当院では、内視鏡システムとして、オリンパス社の最新最上位機種である「EVIS X1」を導入しています。
この機器を用いることで、高画質かつ鮮明な画像を得られるだけでなく、狭帯域光観察(NBI:Narrow Band Imaging)モードや構造色彩強調機能(TXI:Texture and Color Enhancement Imaging)モードを活用して大腸全体を観察することが可能となり、従来よりも精度高く前がん病変である大腸ポリープを発見できるようになりました。
また、これまで検査がつらかった方や、内視鏡に不安がある方には、鎮静剤を用いることでウトウトした状態、ほとんど眠っているような感覚で検査を受けていただくことも可能です。
ご希望の方は、どうぞお気軽にご相談ください。
大腸がんの治療
大腸がんの治療は、がんの進行度によって内容が異なります。
早期に発見された場合には、内視鏡で切除するだけで治療が完了することもあります。
がんが腸の壁の深い部分まで広がっている場合や進行している場合には、手術や抗がん剤などによる治療が必要となることがあります。
近年では、体への負担を抑えるために腹腔鏡手術やロボット支援手術など、低侵襲な手術方法も広く導入されています。
大腸がんの発症は50歳以降に増えてきますが、40歳を過ぎた頃から大腸ポリープができ始め、時間をかけてがんへと進行していくことが知られています。
そのため、40歳を過ぎたら定期的に大腸内視鏡検査や便潜血検査を受けることをおすすめします。




