
当院では、内視鏡検査による病気の早期発見・早期診断・低侵襲での治療を目指し、最新の内視鏡システム「EVIS® X1(イーヴィス エックスワン)」を導入しています。
EVIS® X1は、画像処理技術に優れたオリンパス社の内視鏡システムで、早期の消化器がんなど微細な病変も短時間で捉えることが可能です。
独自の先進技術により、精度の高い観察と処置を実現しています。

次世代の内視鏡システム「EVIS® X1」の主な特徴
1.NBI(Narrow Band Imaging/狭帯域光観察)

粘膜表面の毛細血管や微細構造を強調して映し出す特殊な観察技術です。
特に食道や咽頭領域の早期がんの発見に有効とされており、通常光では識別が難しい小さな病変も、背景とのコントラストの違いによって視認しやすくなります。
EVIS® X1では、従来よりもNBIの明るさとコントラストが大幅に向上し、より明瞭な画像での観察が可能となっています。
2.TXI(Texture and Color Enhancement Imaging)

TXIは、粘膜表面の「構造」「色調」「明るさ」の3つの要素を最適化する画像強調技術です。
粘膜表面の微細な凹凸や色調の変化を強調することで、病変の視認性を高めます。
この技術により、従来では見えづらかった粘膜表面のわずかな色調や構造の変化がより分かりやすく表示され、観察性能の向上が期待されます。
3.RDI(Red Dichromatic Imaging)

特定の波長の光を使用して深部血管の視認性を向上させ、出血部位の特定や止血処置をサポートします。
これにより、安全性と信頼性、そして効率性を高めることにつながります。
4.EDOF(Extended Depth of Field)
広範囲にわたって焦点が合った画像をリアルタイムで提供し、観察の効率化と診断の正確性向上に寄与します。
この技術が搭載されている内視鏡システムは、オリンパス社の「EVIS X1」が世界初となります。
さらに当院では、拡大内視鏡も併用しており、気になる部位を拡大して血管のパターンなどを詳細に観察することで、病変の良性・悪性をその場で評価し、適切な診断と治療方針の決定につなげています。
EVIS® X1は、これらの先進技術を統合することにより、消化器内視鏡検査の精度と効率を飛躍的に向上させ、医師による診断と治療を力強くサポートします。
特に早期の食道がんや大腸がんなどの微小な病変の発見において、その性能が大きく発揮されます。
消化器がんは早期の発見が大切です
国立がん研究センターの発表による最新がん統計(2023年12月現在)では、2020年の罹患データがまとめられています。
それによると、日本におけるがんの罹患数で最も多かったのは大腸がん(147,725件)、次いで胃がん(115,069件)となっています。
また、死亡数でも大腸がんは2位(53,131人)、胃がんは3位(42,374人)と報告されており、いずれも注意が必要ながんです。
しかしながら、消化器がんは早期に発見することで根治が可能な病気です。
当院では、こうした最先端の内視鏡機器を活用し、より正確で信頼性の高い検査を行うことで、胃がんや大腸がんの早期発見に今後も努めてまいります。